単語を知っていれば英語は話せる?

親御さんが子供が小さいうちから英語を習わせる理由として「年齢が低いころだと自然に英語が身につくから」というのがあります。
これは真実だと思います。
人は成長するにしたがって母語の周波数帯に縛られるようになるので、それ以外の周波数帯の音を聞き取れなくなったり、発音しにくくなったりします。
例えば、日本語の周波数は1500ヘルツなのに対し、英語は2000ヘルツ以上になります。
そのため、日本人は英語の子音の聞き取りが苦手だと言われています。
しかし、10歳までの子供はまだ母語の周波数帯に縛られていないので、この期間であれば何ヶ国語も習得することが可能なのです。
実際に、私の外国人の知り合いにも5ヶ国語や7ヶ国語を流暢に話す人たちがいますが、彼らは幼いころから多言語に触れる環境で育ちました。
もちろん、英語も小さいころから触れていれば自然に話せるようになります。
我が子たちも小学校の低学年のころにニューヨークに住んでいた時に現地の子たちと同じように英語を使っていました。
そのため、「自分の子供もできるだけ早いうちから英語を学ばせよう!」と思うお父さん、お母さんはたくさんいると思います。
しかし、ここで注意が必要です。
小さいうちに自然に英語が身につくのは「生活の中に英語があるから」であって、勉強させて身につくものではないということです。
もちろん、子供によっては英語のドリルが好きで自分から進んで勉強したがる子供もいますから、そういうタイプのお子さんなら英語の単語や文法などの勉強も積極的に取り入れて良いと思います。
でも、言葉はコミュニケーションのツールなので、基本的には人との関わりの中で育まれていきます。
小さな子供が話す最初の一言は必ず、ずっとそばにいて大切に愛を注いでくれるママやパパが使っている言葉だと思います。
それは、大好きなママやパパとコミュニケーションをとりたいと思うからこそ自然に発せられる言葉です。
だから、いくら勉強して英語の単語をたくさん知っていても、一般的に役に立つと言われている英語のフレーズを知っていても、「話したい!」と思う相手がいないかぎり英語は話せるようになりません。
子供に英語を身につけてほしいと思ったら、日常生活の中に自然に英語に親しめる環境を作って、「英語を話したい!」と思う人間関係を作っていくことがとても大切なんですね。